|
ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>BOOK TIMES> 記事 「美」を生きる [著]千住博[掲載]2008年04月25日夕刊 ■千住博の芸術と素顔を全公開 世界的な画家にして京都造形芸術大学学長、端正な容貌(ようぼう)はまさに美術界のプリンスと呼ぶにふさわしい。日本画による現代美術の一局面を切り開いた著者による、自叙伝的エッセー集である。画家誕生までの軌跡と著者の芸術論を平明な文章によって融合させ、縦横無尽に語り尽くしている。たとえば、岩絵の具。著者の進路を決定したのは、高校時代に初めて目にした岩絵の具の複雑な表情である。その魅力は、絵の具に秘められた大地のパワーだという。天然の鉱物を砕き、画家自身の手で膠(にかわ)と混ぜ合わせる繰り返しによってミネラルを体に取り込んでいるから、長生きする日本画家が多いのではないかと仮説を語る。時に哲学的な持論を展開する一方で、客人にはさりげなくバイオリン演奏を聞かせ、朝から焼き肉を食べて制作に臨むといったおちゃめな一面ものぞかせる。 また、千住博といえば滝をモチーフにした作品で知られる。その契機となったのがハワイでの霊的ともいえる体験。本書の表紙カバーそでに、「宇宙と交信をしようとした、これぞ芸術の出発点であり、到達点である」と書いているが、著者自身の体験に裏付けられた言葉と察せられる。代表作を含むこれまでの作品や、蛍光塗料を使用した近作「ナイトフォールズ&デイフォールズ」などの作品がカラーで見られるのもうれしい。 ここから広告です 広告終わり |
ここから広告です 広告終わり 売れ筋ランキングコラム
|