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間違いだらけのメンタルヘルス [著]久保田浩也

[掲載]2008年04月25日夕刊

■心の問題は、まず常識を疑うべき

 うつ病は決して少数の人がかかる特別な病気ではない。学校や職場などで、うつ病の予防策が検討されたり、あるいはスクールカウンセラーや産業カウンセラーに注目が集まったりしているのも現代ならではだろう。うつ病と自殺との関連についても取りざたされている。メンタルヘルスは今や国民的な課題でもある。

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 著者は心の病について、医師の側にも患者の側にも勘違いが見られると警鐘を鳴らす。とりわけ早期発見・早期治療、薬物療法を俎上(そじょう)にのせる。心の病は、がんなどの病気と違って定期検診や人間ドックでのチェックを受けることがない。そんな状態での早期発見の奨励にどれだけの意味があるのか。また、通院期間が長引き、飲む薬の量は増えていくのに、症状が改善されない例が非常に多い。服用をやめた途端に症状が悪化する抗うつ剤、睡眠薬の類(たぐい)も数多くある。副作用について何の説明もなされない薬物療法はあまりに危険ではないのか、と。

 著者が説くように、職場や学校、家庭など組織ごとのメンテナンス、個人的に行う心の体操を軸に置き、そこに専門家のカウンセリングや緊急避難としての薬物療法が加わる形が望ましいのだろう。そうした体制を作ることで、やっと私たちは、ストレス多き社会をしなやかに生き延びられるのかもしれない。

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