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フランス料理の「なぞ」を解く [著]エルヴェ・ティス

[掲載]2008年04月25日夕刊

■美食の国の伝統料理を科学的に解明する

 物理学者による料理の解説というテーマからは想像できない洒脱(しゃだつ)でユーモアあふれた内容である。それもそのはず、著者はフランス料理界の著名なシェフ、ピエール・ガニェールと組み、新たな素材の組み合わせによるレシピなどの提案をおこなってきた美食家でもある。本国では分子レベルでおいしさを研究する「分子美食学」の提唱者としても知られる。

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 本書で紹介された40のレシピはフランスの伝統料理であり、その作り方のなかで著者は科学的に解説を加える。手間のかかる料理にとどまらない。たとえば本当においしい目玉焼きの作り方もあれば、桃のシャーベットのコツも著者の俎上(そじょう)に載る。とろっとしてクリーミーで、表面はぴかぴかといった、おいしくて見た目にも美しい目玉焼きのコツは、タンパク質の熱凝固にあることを見事に証明してみせる。おいしさとは科学的にも理にかなっているのである。牛肉のローストの表面がカリッとしていて香ばしい茶色になるためには、メイラード反応により、さまざまな風味の分子が形成されねばならない。

 また、現代フランス料理を代表するシェフたちの名レシピも取り上げられ、科学が料理の風味をいかに向上させるかについて解説する。頻繁に登場するフランス美食古典文学からの引用も料理好きには楽しく読める。

    ◇

 須山泰秀、遠田敬子共訳

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