[掲載]2008年5月30日

■ローラの娘が描く起伏に富んだ自伝的小説
19世紀後半、アメリカでは人々が希望を胸に抱き、西へ西へと移動していった。行く先々で農地を切り開き、街をつくり、生活の基盤を築き上げた。その当時を描いた物語「大草原の小さな家」シリーズは、日本でもよく知られている。本書は、その著者ローラ・インガルス・ワイルダーの娘ローズが自らの人生をもとに描いた自伝的小説である。
西部の田舎街メイソンヴィルに暮らす少女ヘレンは、ポールと淡い初恋を育んでいた。学校を卒業後、ポールと離れ離れになった彼女は自分も仕事をしようと、電信技手になるためサクラメントへ向かう。しかし、彼女が選んだ道は決して楽ではなかった……。
電信技手として働いた後、ギルバートと結婚。そして夫が小切手詐欺で手配されると土地の売買を手がけ、その後ライターへと転身を図り、ベストセラー作家の道へ。どんな苦境にあってもあきらめずに道を切り開いていくヘレンには、両親や祖父母の時代に培われた開拓精神が確かに受け継がれていると感じられる。また、仕事に身を投じる一方で愛や結婚にも悩み苦しんだその姿は、女性なら誰しも共感を覚えるだろう。起伏に富んだ人生をたくましく歩んだ主人公の姿を伸びやかに描く、愛と勇気に満ちた物語である。
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谷口由美子訳
著者:ローズ・ワイルダー・レイン
出版社:悠書館 価格:¥ 1,890
著者:ローラ・インガルス・ワイルダー
出版社:福音館書店 価格:¥ 788
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