[掲載]2008年5月30日
■無理せずジタバタ楽しむ「老い先入門」
尿意は限界まで来ているのに、いくら頑張ってもおしっこが出ない……。参議院議員や大正大学教授などを経て、現在もさまざまなメディアで活躍中の著者にとって、老後はこんな珍事態で幕を開けた。
前述の症状、診断の結果は前立腺肥大だった。手術で改善はしたものの、その後も失明の危機に瀕(ひん)したり、銀座のド真ん中で転倒するなど、いやでも老化を自覚することしきり。もの忘れ、勘違い、うっかりミスも渾然(こんぜん)として襲ってきた。しかし、それでしょげかえるような陳さまではない。「老後はもう、見栄もプライドもいらない。セコくてカッコ悪くて、情けなくてもいいから、自分流に自然体で」生きようと考えた。といっても、いまはまだその心境の手前で迷走中だとか。本書は、そんな著者が我が身と友人諸氏の体験に照らして語る、明るい「老い先入門」である。
「頑張らない。無理しない。争わない」の陳さま流三戒を筆頭に、上手な人づきあいから人生の終わり方まで、著者流の心得が軽妙に語られる。大事なもののしまい場所は変えないなど、苦い体験から得たアドバイスや、誰もが関心を寄せるシニア保険への私見、資産管理についての情報も参考になる。ジタバタしながらも肩の力が抜けた「ちょいボケ・ワールド」、老い先を楽しく過ごす知恵とエスプリが満載だ。
著者:野末 陳平
出版社:青春出版社 価格:¥ 1,200
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