[掲載]2008年5月30日
■正しい「戦略」作りのための教科書
会社経営からスポーツ競技、さらには受験勉強にまで「戦略」という言葉が使われる。あまり深く考えずに、である。そもそも戦略とはどういうものなのか。本書は、戦略を「自らを際立たせること」と定義する。ビジョンや計画とは異なるのだ。そのうえで、戦略立案から実行までのプロの技を伝授してくれる。まさに戦略策定のレシピであり、教科書とも言えるだろう。
大きな流れは、現状分析、戦略オプションの策定、オプションの絞り込み、そして具体的な計画・アクションへの落とし込みと続く。この段階ごとに、企業が陥りがちな失敗を指摘し、解決法を示唆してくれるのだが、思い当たるところが実に多い。たとえば「自社の現状分析」では、たいてい売上高の推移をグラフで示しつつ、売上は増加傾向にある、などと説明しがちだ。しかし、これは単に結果の記述でしかないというのだ。戦略策定のための現状分析とは、市場でのシェア、顧客の持つ企業イメージなどのデータを駆使し、次なる施策を打ち出せるものでなければならない。現状分析自体が目的ではないのだから。その後の、戦略オプションの策定も、オプションの絞り込みも、すべては実行計画へとつながる。実行を忘れた戦略立案では意味がない。そして、理にかなった戦略という方向づけがあってこそ、実行が生きてくるのである。
著者:鬼頭 孝幸・山邉 圭介・朝来野 晃茂
出版社:日本能率協会マネジメント 出版情報事業 価格:¥ 1,680
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