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〈著者に聞きました〉シェイクスピアの故郷 熊井明子さん

[掲載]2008年6月27日夕刊

写真

■シェイクスピアの故郷を訪ねて

 本書はシェイクスピアの故郷、ストラトフォード=アポン=エイヴォンの写真集です。解説は私が書きましたが、写真は映画監督であった夫の熊井啓が撮りました。実はこの本の原形となる企画がスタートしたのは10年ほど前のこと。その時、熊井が自らカメラマン役を買って出てくれたのです。それまでも彼の映画のロケハンや映画祭の通訳のため一緒に出かけたことはありましたが、私の仕事のために夫婦で海外に行くのは初めてでした。

 ところが、現地に着いたとたん、彼は風邪をひいてダウン。そのうえ、彼の愛用のニコンまでもが故障してしまっていたのですが、それでも彼は綿密に予定を立て、毎朝5時に起き、高熱の身で私の重いカメラを手に、シェイクスピアの故郷を歩き回ってくれました。

 解説を書くために写真に向かうと、今まさに彼と共に朝もやのエイヴォン川のほとりに立っているような気持ちになり、また彼の視線で町を見ているのに気づきます。私ひとりでは、この町の初々しさ、静かに流れる空気、時を超える感覚までをも切り取ることはできなかったと思います。

 改訂新版である本書では写真のレイアウトを変え、シェイクスピアの母親の家もその後明らかにされた本当のものと差し替えました。熊井は亡くなる少し前に、これらがクリアされれば撮影者として名前を出すことを快諾してくれました。私たち夫婦二人にとって最初で最後の記念の本となりました。本書のテーマはシェイクスピアですが、夫婦が二人で何か記念になる出来事や作品を生み出すヒントになれば、うれしいですね。(談)

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