[掲載]2008年6月27日夕刊

■適切に報奨されることで人は動く
今の時代、一人の個性溢(あふ)れるリーダーによって企業の命運が決まることは、ほとんどない。むしろ、社員のやる気やコミットの度合い、参加意識の強弱こそが企業の将来を決めると言える。本書では、そこに「ニンジン文化」というテーゼをあてはめてみせた。
ニンジンとは、単に報酬の多寡ではない。ここでは報奨(レコグニション)と呼んでいるが、多くの社員が望んでいるのは、正当な評価なのである。アメリカ労働省の統計によると、退職理由の第1位は「正当に評価されていないこと」だという。まず、正当な評価こそが報奨なのだ。適切な報奨は、企業の資産収益率、営業利益率アップにつながるというデータもある。
もちろん、ただ漠然と褒めればいいというわけでもない。本書が紹介するのは、日ごろのねぎらい、功績への報奨制度、勤続年数による報奨、そして祝賀イベントである。こうしたことを継続的に行う必要があると説く。そのとき大事なのは、具体的な功績、相手の個性に合わせた褒め言葉なのである。本書を読むと、ニンジン文化とは、ビジネスの場だけではなく、家庭でも、友人関係でも通用するものだと分かる。健全なニンジン文化こそが、人間関係を円滑にする秘訣(ひけつ)なのだろう。
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フランクリン・コヴィー・ジャパン訳
定価1890円、キングベアー出版
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