[掲載]2008年8月27日朝刊
■壮絶な人生を生きる女優の伝記
映画『真夜中のカーボーイ』の主演俳優ジョン・ヴォイトの娘であり、アメリカでもっともセクシーな女優といわれるアンジェリーナ・ジョリーの伝記。恋とセックス、3人の子どもをもうけたブラッド・ピットとの私生活までが赤裸々に描かれている。
生後まもなく両親が別居。兄と母親と暮らすアンジーは複雑な家族環境に悩み、また、やせっぽちでメガネをかけ、口元には歯列矯正の器具が光るため、クラスメートからも疎んじられていた。不眠症や摂食障害に苦しむ彼女は、いつしかナイフで自分の体を傷つけるようになり、当然のようにドラッグとアルコールに溺(おぼ)れる。が、「映画で演じる役が私にとってのセラピーよ」という言葉どおり、初主演の『サイバーネット』で女優としての存在感を示し、24歳の時に出演した『17歳のカルテ』ではアカデミー助演女優賞に輝いている。
「世界一の美女」という名をほしいままにはしたが、数度の結婚、SMとタトゥーへの耽溺(たんでき)、バイセクシャル宣言などその私生活は壮絶だ。2001年、『トゥームレイダー』のロケ地・カンボジアで慈善活動に目覚めた彼女は国連親善大使に任命され、さらにカンボジアの孤児を養子に迎える。アンジーいわく「自分が育った箱から出ない限り、世界がどれほど広いかはわからない」。スーパースターの私生活もさることながら、女性の生き方としても興味深い一冊である。
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長澤あかね訳
著者:ブランドン・ハースト
出版社:ブルース・インターアクションズ 価格:¥ 1,365