[掲載]2009年6月24日朝刊
■階段も登山道もある不思議な世界。日本各地の国道の秘密に迫る
国道と聞いて思い浮かぶのは、整備された幹線道路だろう。ところが日本各地には、歩いてしか行けない「酷道」が何カ所もあるという。青森県・龍飛崎の国道339号は階段だし、群馬県と新潟県の境にある清水峠を通る国道291号は登山道。車が通れない国道は、マニアたちの間で「点線国道」と呼ばれているのだそうだ。また、市街地においても、全長200メートルに満たなかったり、行き先がなぜか漁港だったりする国道もある。それに、国道の番号には欠番もあるという。そもそも国道の番号はどうやって決まったのか? こうした事例を糸口に、本書は国道という摩訶(まか)不思議な世界に案内する。
国道は、国が巨大な予算を投じて建設し、その後も管理している道路のことだと思っていないだろうか。じつは、その認識からして大違い。国は起点と終点、経過点を決めるだけで、あとは費用も含めて各都道府県任せの部分が多い。明治からの歴史を見ても、いい加減なところがある。著者は膨大な文献を当たり、道路行政の創成期からの謎に切り込む。身近にあって意外に知らない世界の奥をのぞく面白さがある。
著者:松波 成行
出版社:祥伝社 価格:¥ 924