福岡の写真館主にしてアマチュア写真家井上孝治(1919〜93年)。彼の評伝で、現在ノンフィクション作家として活躍する著者が徒手空拳でものした処女作でもある。 井上が時の人になっ………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年7月3日号
昼間、公園のベンチでやさぐれていた失業中の花島は、そっくりな顔をした男の子たちの身体能力の高さに目を奪われる。一卵性の彼らは「三つ子の悪魔」とあだ名された文武両道のサッカー小僧達………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年6月26日号
某地方書店、熱心に立ち読みするママが近寄ってきた娘さんに言う。「これ面白いよ」、娘さん「今日はもういい」。あっさり立ち去る二人。え、いいの? じゃあ私読みます。 しかし早々と挫………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年6月19日号
「痩蛙まけるな一茶是にあり」。剽軽なイメージのある一茶だが、藤沢周平のこの伝記小説を読んで、我が半可通の頭をこづく。 継母と折り合いの悪い15の弥太郎(のちの一茶)が江戸に奉公………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年6月12日号
イタリアで興ったスローフード運動。その思想をいち早く紹介した著者が日本のスローフードを全国に訪ねたルポ。 欧州のチーズ・オリンピックで金賞を受賞した「共働学舎」の桜チーズ(十勝………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年6月5日号
書きっぷりで読者を騙(だま)くらかす推理小説を“叙述ミステリー”と言う。国産における、その記念碑的作品の復刊。 孤児でけなげなヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子(なみこ)(………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年5月29日号
累犯障害者とは著者の造語。犯罪を重ねてしまう障害者のことを言う。不可解な事件の背後に何があるか。広く読まれるべきルポルタージュだ。 下関の駅舎放火事件(犯人は過去10回服役)、………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年5月22日号
カメラにつきまとわれた日日の怒りと響き。読み終わってみれば、なんとも切々たるタイトルだ。 79年のある日、青年は恋人を送ろうと家を出てきたところでストロボの光を浴びる。二人は翌………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年5月15日号
孤児ものに凡作なし。現在公開中の「スラムドッグ$ミリオネア」の原作、映画とはまたひと味違った痛快で爽快な成長小説だ。 クイズ番組で10億ルピー(約20億円)を手にすることになっ………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年5月8日増大号
下級武士や市井の人々の哀歓を描き、直木賞など賞と名の付くものは総辞退した山本周五郎(1903〜67年)。読者からもう十分に賞をもらっているというのが理由だが、そんな氏の文学観や人………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年5月1日号
吉田豪さんが選&解説する「男気文庫」第3弾。33年を経ての復刻である。吉田氏のまとめに笑う。「代表曲は何かと聞かれてもさっぱり思い浮かばないのに、日本でいちばん有名なロッカー。そ………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年4月24日号
なるほど、歴史には地政学もあるが、気候学もあるなと思わせる好著。“最近の地球はおかしい”といった“現世視野”でないのがいい。 に、しても、1300年頃から1850年頃まで約50………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年4月17日号
世界のシワ地帯=辺境を旅した爆笑エッセイ集。著者(1966年生まれ)の心意気がいい。グローバル化とはアメリカ化。「アメリカ化が進むと、世界はのっぺりする」。アイロン掛けされていな………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年4月10日号
28歳無職の男が9歳の女子小学生をナイフで脅し、車のトランクに押し込んで自室に連れ帰る。それから9年2カ月、1度も外に連れ出すことなく彼女を監禁し続けた。あの裁判の記録である。 ………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年4月3日号
文庫初出。主人公はレバノンなど世界の紛争地帯を駆け巡った戦場カメラマン。いまは地中海に臨む望楼をねぐらに、壁画を描いている。そこに現れた過去からの訪問者。主人公の撮った決定的瞬間………[記事全文]
[評者]温水ゆかり [掲載]週刊朝日2009年3月27日号
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