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愛でたい文庫

友だちは無駄である [著]佐野洋子

[掲載]週刊朝日2007年03月09日増大号
[評者]温水ゆかり

 タイトルの「無駄」の部分に、苦み走った気分で反応。が、帯に目をやれば「その無駄がいいのよ」。中高年の隠れウツ発見機かと思うようなこの本は、だが、中高生のために書かれた。親本から19年を経ての文庫化。イジメや教育など最近の社会問題を受けてなのか、“復刊”とでも言うべき内容になっている。

 まず構成で読ませる。自らの友情史観をつまびらかにする全5パートを〈インタビュアーとの一問一答+自伝的エッセイ〉で構成。前4パートのインタビュアーを谷川俊太郎氏が、最終章「おとなになった私は女友だちとこんな話をしている」の対話相手を、その女友達である小形桜子氏がつとめている。

 電子で繋がる今の中高生がどう読むか興味あるところだが、むしろ大人同士のジャブの応酬が面白い。友人や親友を一度も欲したことがないと言う谷川氏に対して「あなたは病例として研究したほうがいいかもしれないわね。だけど、友だちを欲しがりすぎるのも病気ね」と著者。男と女の違いなのか、都市型人間と根の張り所を探す地方出身者の違いなのか。読みながら、頭にチラつく友の顔で来し方行く末が占えることに気づいてギョッとする。

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