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愛でたい文庫

デカくて 悪いか! [著]いじりめぐみ

[掲載]週刊朝日2008年02月08日増大号
[評者]温水ゆかり

■天下無敵の国際ジェンダー戦争記

 国際結婚のエッセイや漫画が人気。女性のそれはとことん生活派でカラッと笑える。

 親本は03年ユーコン社から。著者近影ならぬ、著者遠影は事前に必見。身長177、一升瓶を下げ、裸足で仁王立ちする益荒男ぶり。夫を「野郎」、インテリ義母を「ババァ」と呼ぶ酒乱のヒール(悪役)・キャラ、堂々の予告編である。

 花の広告代理店に就職したバブル期(酒井順子氏と同期)、英語教師として来日していた米国大学時代の同級生と再会。貧乏同棲、海を渡る通い婚、一発妊娠、雄叫び分娩、シアトルに腰をすえるまで、というのが本書の概観だ。しかし、そこはほれ、元CMプランナーの仕掛け人。夫を“覇気なし根性なし甲斐性なし”のキャラにし、〈鬼嫁〉対〈リメンバー・パールハーバー姑〉の戦記に仕立てる。「ババァの暴走」と「わたしの野郎いじめ」が本書の二本柱。天下無敵の俺様ぶりに笑うが、実はこれ、人間の器が相当デカくないとできないジェンダー戦争だ。

 夫の雇い主はビル・ゲイツ。ウィンドウズをもじったマイクロソフト・ウイドーズ(未亡人)の公園デビューが結構シリアス。夫に拉致されてきた各国の高学歴妻達の溜息の場になっている。女ってちょっと哀しいね。……酒でも呑むか。

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