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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>愛でたい文庫> 記事 愛でたい文庫 白蛇教異端審問 [著]桐野夏生[掲載]週刊朝日2008年03月07日増大号 ■砂漠化する言葉への聖戦 著者唯一のエッセイ集(05年刊)。直木賞受賞(99年)後の日記あり、書評、映画評、超短編小説ありと、“桐野夏生バラエティ・ショー”的な愉しさがある。冷蔵庫の中身や味噌汁の具など、生活臭い断片にも神宿るが、ここでは書名の由来となった最終章にスポットを当てたい。 ある日夢に出てきた白蛇。聞けば、創造神だと宣う。ならば、と、著者は「白蛇教」を立ち上げ、「狂信者」になることを誓う。姿を見せずに攻撃してくる匿名批評や、著者のデビュー作(江戸川乱歩賞受賞作)をロマンス小説と断じた論評。それらは著者にとって宗教弾圧。かくして章頭に「矢でも鉄砲でも飛んでこい/胸くその悪い男や女の前に/芙美子さんの腸(はらわた)を見せてやりたい」と林芙美子の詩を掲げ、コラムで孤独な聖戦を繰り広げる。護符とも呪詛ともつかない「にょろ」というお札を貼りながら進んでいくこの稿は、小説家の覚悟(はらわた)(=表現論)を開陳して圧巻。 にょろ。違う角度から書いてみたい。最近“辛口”の定義が違ってきている。人を励まさない辛口。相手をヘコますことで手柄を立てる辛口。地球温暖化で言葉まで砂漠化している? 21世紀は暑くて寒いっす。にょろ。
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