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ビジネス書

マネーはこう掴む [著]藤巻健史

[掲載]2008年03月16日
[評者]清野由美(ジャーナリスト)

■やはり素人には難しい

 “カリスマディーラー”として有名な著者いわく、資産運用で成功するためには「正しく経済を分析する」ことと「適切なツール(商品)を使いこなす」ことが重要で、後者における最も適切なツールが「デリバティブ(金融派生商品)」だという。

 ハイリスク、ハイリターンのデリバティブは、素人にはなかなか手出しができないというイメージが強い。実際、その通りなのだが、資本主義市場におけるデリバティブの有効性から始まり、為替先物、外為証拠金取引、日経225先物など実際の取引を、平易な語り口で順に解説されていくと、やみくもに怖がることはない、と前向きになる。

 とはいえ、最終的にいちばんよく理解できたのは、やはりデリバティブは素人には難しい、という事実。むしろ一般読者がひざを打つのは、高度で複雑な金融知識と経験を持つカリスマディーラーが、実際にどのような資産運用を行っているか、であろう。著者は「長期固定でお金を借りて、不動産と株と為替、ドルを買っている」と最後に明かすが、ここで大切なのが、長期ポジションを取りながら、株から債券へ、あるいは債券から株へと、一瞬で運用方針を転換できるようなポートフォリオを組むこと。ゆえに株は個別銘柄ではなく日経225先物を活用する。デリバティブとは、この“ポートフォリオ構築”に対する感覚を鍛えてくれるツール。その概念が勉強できる。

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