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ビジネス書

経営の未来 [著]G・ハメル、B・ブリーン

[掲載]2008年03月30日
[評者]梶山寿子(ジャーナリスト)

■最高の力を引き出すには

 21世紀のマネジメントの指針を描く良書。会社という組織はなぜ社員の意欲を萎(な)えさせるのか。そんな疑問を抱いている人は、ぜひ手に取ってほしい。主著者は『コア・コンピタンス経営』で知られる経営・戦略論の権威、ゲイリー・ハメル。彼は言う。「本書は夢を持ち、なおかつ行動する人のための本である」

 著者が夢に描くのは「イノベーションの電流があらゆる活動に流れ、反逆者が常に保守主義者に勝利する」「社員からそれぞれの最高の力を自然に引き出せる」企業の姿だ。

 その実現には、もはや時代遅れとなった経営管理モデルのイノベーションが不可欠となる。なぜなら過去100年の技術や生活様式の劇的な変化に比べ、近代経営管理の手法は20世紀初頭からほとんど進化していないため。官僚型の階層組織、規格化された業務マニュアルは経営の効率を高めるが、社員の創造力や自主性、組織の適応力を奪う。この変革の時代に持続的な成功を収めたいのなら、旧来手法の呪縛から逃れ、社員の創造性や情熱を掻(か)き立てる経営管理のパイオニアになれと説く。

 革新のためのヒントも豊富で問題意識を持つ人に多くの気づきを与える。現場の小集団に権限委譲する自然食スーパー、ホールフーズ、徹底的にフラットな組織を持つグーグル、一人の中間管理職が改革に挑んだ米家電販売大手、ベストバイなどの先進例も刺激的だ。

    ◇

 藤井清美訳

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