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ここから本文エリア ビジネス書 みる わかる 伝える [著]畑村洋太郎[掲載]2008年04月06日 ■避けたい「わかったつもり」 春、入社シーズン。新人たちをいかに戦力化するか。観察力、理解力、伝達力を磨く本だが、単なるハウツー本と一線を画すのは失敗学で有名な著者の本来の専門である「創造学」に裏づけられていることだ。 世の中の事象は「要素」と「構造」から成り立っている。一方、人間は自分の頭の中にも要素と構造の「テンプレート(型紙)」をたくさん持っており、見聞きした事象が一致したとき「わかる」と判断する。わからないときは新たなテンプレートの構築、すなわち学習が必要になる。 「伝える」も同様で、伝える内容が部下の頭の中のテンプレートと一致しないと伝わらない。学習させる必要があるが、知識を外から与えるだけでは頭の中で構造化されない。 ここで「みる」の出番だ。五感を使い、「現地・現物・現人」の「3現」で経験しながら、独自の視点を持ってみると要素が構造化される。 一番いいのはあえて失敗を経験させ、貪欲(どんよく)さが芽生えたところで、「むしり取らせる」ことだという。 思考の世界をデジタルに解析する一方で要所はアナログでしめる畑村流が小気味よい。図解のポンチ絵も一目で「わかる」。各項ごとの「おまけの話」は仕事帰りの一杯を奨励するなど読み物風で別の味わいだ。 「伝わったはず」「わかったつもり」の“はず&つもり”のズレを避けるため、上司と部下で1冊ずつ持ち、脳内テンプレートを一致させてはいかがか。
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