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ビジネス書

ほぼ日の就職論 はたらきたい。 [編]ほぼ日刊イトイ新聞

[掲載]2008年04月13日
[評者]清野由美(ジャーナリスト)

■就職の“本質”をまっすぐ

 就職するにあたって大切なことは何か。正しいお辞儀の角度や言葉遣いなどを期待して読むと、霧の中に放り込まれたような気分になる。何しろ「面接時の『常套句(じょうとうく)』については、面接官は読みきっています」に続くポイントが「ここ百年のできごとを参考に試験の準備をしても、そんな問題は出ません」「マイブーム、つまり自分にとって大切なことを情熱を持って面接官に伝えましょう」などと書いてあるのだ……。

 しかし、その“放り出された感覚”を喚起することが監修者、糸井重里の意図するところ。「職を得るためにうまく立ち回るための方法を否定したい」という立ち位置から、「はたらくこと」を知る足がかりとして、5編の対話を収録する。採用のプロ、キャリア論の研究者、あるいは組織に属さない漫画家、芸人、さらに矢沢永吉も登場して語り合う内容は、就職にすぐ効く“処方箋(せん)”とは遠いが“本質”をまっすぐに突く。「お辞儀の角度がどうだとかそういうことは、ほんっとに、心の底からどうでもいい。何をどれだけ大切にしてきたか、ということをこちらに伝えてくれるかどうか」(人材紹介事業の経営者、河野晴樹)のひと言に我に返るのは、新卒者だけでなく中堅層も定年組も同じだろう。

 「詳しそうだったりする地図よりも、遠くの灯のほうが、人を力づけられる」。そんな糸井の思想が込められた、仕事の航路案内だ。

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