中高の音楽の授業で学ぶクラシック音楽のさまざまな速度・表情記号を、イタリア語の日常会話を使ってニュアンス豊かに解説する「これで納得! よくわかる音楽用語のはなし」が出版された。
たとえば「アレグロ」の項目。日本語では「速く」と訳されるが、実は「陽気に楽しく」との意味だ。その高揚感がスピード感のあるイメージに結びつき、ひいては「速く」と言われるようになったのだという。
「歩く速さで」と一般的に訳される「アンダンテ」も、「前に進む」「移動する」といった動的感覚をかもす言葉なのだ。一方で「中庸」「平凡」といった意味も併せ持つが、これはイタリアではむしろポジティブな表現。マイペースに我が道を、というイタリア人らしい前向きな用語であることがわかる。
決めつけの少ない柔らかい語り口で説明し、音楽作品の立体的な理解を助けてくれる一冊だ。著者はピアニストの関孝弘とイタリア人の妻ラーゴ・マリアンジェラ。