「オタク化するアメリカ」の表と裏を伝える2冊が、相次いで刊行された。
堀淵清治著『萌(も)えるアメリカ〜米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか』は、かの地で20年前に日本マンガの翻訳出版をする会社を設立した著者のビジネス奮戦記。
右開きを左開きに換えるなどの工夫で浸透を図り、慣例破りの流通ルートで販路拡大、「ポケモン」マンガが大ヒット、米国版「少年ジャンプ」を出版、そこにライバルが……。北米の日本マンガの単行本市場は実質ゼロの20年前から210億円に膨張したという。
一方、パトリック・マシアス著『オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史』(町山智浩編・訳)は受け手の視点から描く。著者は、6歳でゴジラのとりこになり、深作欣二の仁義なきSF映画「宇宙からのメッセージ」に「スター・ウォーズよりスゲエ!」とぶっ飛んだ72年生まれの米国人。体験を交え、日本のアニメやマンガが米国でいかに受容されたかを記す。
地球を守る「ガッチャマン」が宇宙パトロールに改変されたとか、寒いギャグ満載の「ウルトラセブン」吹き替え版とか、紹介される事例はおかしいやら悲しいやら。
海の向こうでも「オタク」の情熱は燃え上がる。美少女アニメ好きのネオナチ・ガールら、最終章「USAオタク列伝」の濃さ(と痛さ)にはクラクラする。