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売れ行き好調だった文芸誌の10月号
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先月発売された文芸誌「新潮」「文学界」「群像」の10月号が軒並み好調な売れ行きを示し、関係者の間で話題になっている。注目作や力の入った特集が各誌に載ったためとみられている。文芸誌の発行部数は約1万部。少部数ではあるが、それでも複数の雑誌が同時にこれほど売れたのは異例のことだ。7日には東京などで11月号が発売される。この好調な流れが定着するかどうか……。
紀伊国屋書店の東京・新宿本店、大阪・梅田本店、福岡本店など主要7店での9月20日時点の調査によると、実売率は「文学界」(文芸春秋)が80%に達し、「新潮」(新潮社)が62%、「群像」(講談社)が50%。各誌の編集長によると、いつもの2〜3倍のペースで推移したという。
「文学界」は映画監督の黒沢清さんの特集、「新潮」は吉村昭さんの遺作「死顔」と高村薫さんの新連載「太陽を曳(ひ)く馬」、創刊60周年記念号の「群像」は人気作家の短編特集などと、強力な作品、企画で勝負した結果だ。
1万1300部発行した「新潮」は「少なくともこの20年くらいはなかった」(矢野優編集長)という増刷に踏み切り、5000部増やしたが、ほぼ完売したという。「文学界」も東京などではほぼ完売状態に。
3誌がそろって好調だったことについて「文学界」の大川繁樹編集長は「互いに競争意識は強い。しのぎを削った結果ということもできる」。また、「新潮」の矢野編集長は「各誌がそれぞれ独自性を出して売れた。すごくいいことで、この流れが続いてほしい」。
11月号も「新潮」が作家平野啓一郎さんの新連載の大作「決壊」、「群像」が文芸評論家加藤典洋さんの本格評論「太宰と井伏——ふたつの戦後」など、各誌が力の入った作品を掲載する。