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宮崎駿さん=白谷達也氏撮影
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ウェストール
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宮崎さんが描いた爆撃機の図解
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英を代表する児童文学作家の一人、ロバート・ウェストール(1929〜93)と、アニメーション映画監督の宮崎駿さんの「共著」が刊行された。『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店・1680円)。ウェストールの表題作と短編2作を、宮崎さんのマンガでサンドイッチするという体裁だ。90年に別の出版社から刊行された作品だが、品切れ状態だった。大のウェストールファンの宮崎さんは、「このまま消えるのはもったいない」という。異例の形での復刊は、その熱意の表れだ。
「ブラッカムの爆撃機」は第2次大戦下、ドイツへの無差別夜間爆撃をした、英爆撃部隊の若者たちの物語。ある日嫌われものの1機が謎の帰還をする……。
宮崎さんのマンガの前編は、作品の導入部を「風の谷のナウシカ」を思わせるタッチで色鮮やかにビジュアル化。戦争も爆撃機も知らない世代が、物語に入ってゆくための「案内役」だ。「貧弱なアルミ管の骨組みに布がはってあるだけ」と語られる爆撃機の構造を詳しく図解するなど、工夫を凝らしている。
マンガの後半は、ウェストールと宮崎さんの架空対談。戦争のむごさを語り合う。夜間爆撃は、多くのドイツ市民を殺傷した。一方英国側の若者たちの戦死も爆撃機搭乗員らをはじめ、数万規模に及んでいるという。これは戦争の勝利の代償として、多すぎるのか、少ないのか……。宮崎さんは今年2月英国を訪れ、各地を取材してきた。
「かかし」や「海辺の王国」でカーネギー賞やガーディアン賞を受けたウェストールは戦時下の少年だった。「『ブラッカム』は、戦場のカッコ悪い現実、死にゆく者の怒り、若者の忠誠心の悲劇性を描いた好編。でも題材が爆撃機なので敬遠されてきた」と宮崎さん。「戦争は知らないが戦争好き、という若い人たちに読んでもらいたい。戦争の狂気の中で正気を貫く勇気を書いていますから」
翻訳は前回の本と同じ金原瑞人さん。この5月に宮崎さんから復刊を相談された。「丁寧に描かれた絵を見て、これはいいと思った。ウェストールは、戦時の日常を生きる少年たちを、実にリアルに書けた作家」と話している。