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「しっかりと・・・」安倍首相
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「きちっと・・・」小沢民主党代表
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「自民党をぶっ壊す」小泉前首相
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政治家の言葉に注目が集まっている。「自民党をぶっ壊す」「抵抗勢力」と、次々に言葉を編み出した小泉前首相の在任中のメールマガジンをまとめた本『小泉純一郎です。』(時事画報社)はすでに4万部が出荷されるなど、政治家の言葉に関連する本の出版が続く。改めて、政治と言葉の関係とは——。
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「『しっかりと』の安倍首相と、『きちっと』の小沢民主党代表。いずれも2人をよく表している副詞の使い方です」
『歴代首相の言語力を診断する』(研究社)を7月に出した東照二(あずましょうじ)・ユタ大教授(社会言語学)は、10月18日の党首討論の言葉から、それぞれの特徴をこう分析した。「しっかりと」は若さで何かをやり遂げることを表す。「きちっと」は整合性の重視を示し、原理原則にこだわる小沢一郎氏の印象につながる。
東教授は、著書で東条英機元首相から小泉氏まで30人の内閣発足当初の所信表明演説を国会議事録をもとに分析。字数が最も多いのが橋本龍太郎氏の1万2970字。政策通を自任した人らしい。最少が877字の岸信介元首相。「国民より議会に向けて話したのではないか」と東教授。
今回、安倍氏を分析すると8422字で4位に相当。斬新さや都会的な印象をまといやすいカタカナ語は、普通名詞だけで77語あり、橋本氏の33語や小渕恵三氏の28語、小泉氏の19語に比べても、格段に多かった。
文末表現で見ると、「あります」は、東条、片山哲、吉田茂の各元首相では9割、歴代平均でも約45%を占めた。演説口調の代表的な言葉だが、時代とともに減少し、海部俊樹氏以降は3割程度。竹下登氏は「言語明瞭(めいりょう)、意味不明」といわれた通り「考えます」というあいまいさの残る表現を多用。歴代平均の2%に対し、竹下氏は約10%と突出している。
小泉氏は14%が「です」という明快な言い切り。ほかに「です」を使った首相は5人のみで、次に頻度の高い森喜朗氏でも2%。分かりやすい語り口を示すデータの一つといえる。さらに、郵政解散の際の「国民の皆さまに問いたい」といった呼びかけや、「小泉内閣」と自らの名前を内閣に冠する手法など際だった特徴がある。
発足当初の内閣支持率が78%、62%と高かった小泉氏と田中角栄氏には「スイッチの切り替え」という語法上の特徴があった。小泉氏は「公と私」「論理と感情」を自在にスイッチ。「今太閤」田中氏は標準語と方言を切り替え、「首相」と「庶民」の間を往復した。「間や緩急も含め、政治家が聴衆を引き込む大きな手段」と東教授は話す。
岸元首相「声なき声を聞け」、春日一幸氏「理屈は後から貨車で来る」といった、政治家の言葉を集めた『永田町の回転ずしは なぜ二度回らないのか』(小学館)や『武器としての〈言葉政治〉』(講談社)といった本も出た。