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ひと・流行・話題

佐々木丸美の著作 ファン待望の復刊

2007年03月01日

 映画になった「雪の断章」をはじめ、少女物語を叙情的につづった作家、佐々木丸美さんの著作が相次いで復刊されている。75年から9年間に18作(1作はマンガ原作)を出しながら全著作が絶版となっていたが、マルミストと呼ばれるファンが中心の復刊運動をきっかけによみがえった。

 佐々木さんは学生時代に書いた「雪の断章」が「2000万円テレビ懸賞小説」に佳作入選し、75年デビュー。人気作家となったが、05年に56歳でなくなった。

 作品の多くは「館」「孤児」という題材に大別できる。海の絶壁にそびえる館を舞台にした「崖(がけ)の館」に始まるミステリー色強い作品群と、「雪の断章」に代表される「孤児」の少女の成長を描いた作品群だ。

 登場人物がしばしば語り出す美術や文学、哲学の議論、突如入り込む詩的な表現に加え、多くの作品が人物や場所、事件などでつながり、背後に壮大な宇宙観を感じさせるなど、読者を物語世界に引きずりこむ。

 今回、ブッキングが「佐々木丸美コレクション」全18冊を刊行。昨年末から隔月2冊ペースで復刊している。すでに全巻予約が600セットを超えたという。東京創元社からも「館」3部作が文庫で順次発売中。4月発売予定の「夢館」には単行本未収録の短編「肖像」が併録される。

 「孤児」「館」といった古くさい道具立ての一方、後の「新本格」ミステリーやライトノベルに通じる丸美ワールド。時代を先取りした魅力が若い世代にも伝わりそうだ。

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