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ひと・流行・話題

川端康成文学賞に選ばれた小池昌代さん短編集「タタド」

2007年05月03日

◆「物質生活と海の波動対比」

写真川端康成文学賞に選ばれた作家の小池昌代さん=東京都渋谷区で、安藤由華撮影

 優れた短編に贈られる川端康成文学賞に選ばれた詩人・作家の小池昌代さんの「タタド」(「新潮」06年9月号)は、海辺の家を舞台に、中年男女4人の交情を描く。波にたゆたううちに思わぬ浜にたどり着いてしまうような、不思議な味わいの短編だ。

ユニークな題名は「伊豆半島の多々戸(たたど)浜から付けました。抽象的な場所にしようと思ってカタカナにしたんです」と語る。

 テレビのプロデューサーとその妻が週末を過ごす海辺の家に、夫の仕事仲間である地味な女優と、妻の古い友人の男性が集まり、一夜を過ごす。人生の下り坂にある4人の生活ぶりが浮かび上がってくる。

 「多々戸浜に2、3度行き、凶暴な海を忘れていたことに気づかされた。機械音に囲まれた都会の物質生活と、ものすごい波動を持つ海との対比から小説を考えました」

 食事や談笑を通じて4人は五感が開かれてゆく。翌日、男女は踊るうちにモラルを越えた関係に陥る。

 「書いているうちに、ああなっちゃったんです。夫婦関係っておもしろい。なぜ、くたびれながらも続けているのか、1人の相手と性交を続けるのか、考えるとわからないことが多い。都会生活で固まっていた4人の体が、場所の力で最後に開いたんです」

 短編集『タタド』は7月下旬に新潮社から出版される予定。

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