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ひと・流行・話題

小学館ノンフィクション大賞を受賞 脚本家・高木凛さん

2007年08月25日

 沖縄懐石料理店のおかみである。雑務の合間に細切れの時間を集め、自宅や東京・赤坂の店で「パッチワークのように」書きつないだ。もともとは脚本家。テレビドラマなどを数多く手がけてきたが、ノンフィクションは初めてだった。

写真小学館ノンフィクション大賞を受賞した高木凛さん=東京・赤坂で

 完成に約3年かかった。95年に乳がんの手術をしたが再発、03年にリンパ節を切除した。治療の過程で髪の毛が抜け、かつらをつけて資料を集めたこともある。がん細胞に「しばらく静かにしていてね」と語りかけた。

 東京の下町生まれ。沖縄との縁は、この病が取り持ったようなものだ。告知されたあと、体と心のバランスが崩れて療養に訪れた島。そこがヌチグスイ(命薬)となったのだ。素朴な八重山料理に感激し、その場で店主に「東京で店を出したいのですが」と口走っていた。

 受賞作「沖縄独立を夢見た伝説の女傑 照屋敏子」で、戦中戦後を破天荒に生きた女性実業家を描いた。「アメリカもいらない、日本も来るな」。魚売りで鍛えた足腰と大声で海の男たちや政治家を圧倒する。そんな敏子の人生をたどることで「わたしの沖縄を問うてもみたかった」と作品の最後に書いた。

 「ベトナム反戦・沖縄返還運動を知る世代なので、オキナワは若い日の記憶に刺さっています。贖罪(しょくざい)というほどの気負いはないけど、ヤマトの人間として過去を見つめる必要があると思ったのです」

(8月25日付の朝日新聞「ひと」に掲載)

          ◇    ◇

 高木さんはアスパラクラブのWebサイトで、沖縄や日本の食と文化についてつづるエッセー「高木凛のまほろば食堂」を連載しています。毎週水曜日に更新しています。

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