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ひと・流行・話題

「金田一少年」、「神の雫」の原作者が株と家族の小説

2007年11月16日

 「金田一少年の事件簿」をはじめ、手がけた作品を次々とヒットさせたカリスマ漫画原作者・樹林伸さん(45)が、今度は本格的な小説に挑んだ。外車の営業マンをしながら、億単位のネット株取引をする男を主人公にした「ビット・トレーダー」(幻冬舎、1700円)。漫画の原作づくりと同様、「意外性のあるアイデアをたっぷり盛り込んだ」という自信作だ。(アサヒ・コム編集部)

写真ビット・トレーダー

 樹林さんが原作を担当した「金田一少年の事件簿」は、文庫、特別版も含めると8000万部を売り上げている。ほかにも、「ゲットバッカーズ」が39巻で1800万部、「サイコメトラーEIJI」が25巻1200万部、原案協力の「GTO」が25巻で5000万部など、軒並み、単行本などが1000万部以上売れている。

 異色の政治漫画「クニミツの政」も評判を呼び、現在はワイン漫画「神の雫」などの原作を共同執筆している。木村拓哉主演のテレビドラマ「HERO」の企画・原案にも携わった。

 10月に発売された「ビット・トレーダー」は、株式市場を舞台回しにしながら、家族についても考えさせる小説だ。電車の事故で息子を失った主人公は、その慰謝料をやけくそで株に突っ込み、大当たりしたことで、サラリーマンとデイトレーダーの二重生活を始める。上場企業の社長を名乗る男から自社の倒産情報と空売りを利用した裏取引を持ちかけられたことから、物語は大きく展開していく。

 「漫画という表現方法では描ききれないアイデアを形にしたかった」というのが、本格的な小説を書いた動機だという。「漫画は絵のイメージから入るので、ストーリーや登場人物の性格付けなどが、漫画家の個性に引っ張られていく傾向があるが、小説は100パーセント自分が思ったように描けるのが魅力だ」と樹林さん。

 今回の小説のテーマの一つは「底を打つ」だという。「株と同じように人生も底を打つ瞬間が必ずあり、倒産=死を免れれば、必ず上向いていく。だからあきらめてはいけない」とのメッセージが込められている。もう一つのテーマは「家族」。「金は大事だが、その金を得るために、もっと大事なものを失っては意味がない。金は大事なものを守るために稼ぎ、そして使うべきだ」と樹林さんは話す。

 今後も漫画の原作を書きながら、年に2、3冊の小説を出す予定で、現在、執筆中の小説は早ければ、来年1月に脱稿するという。

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