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仏哲学者、ドゥルーズ 再び脚光、若者に人気

2007年11月15日

 フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズ(1925〜95)といえば、20年以上前の「ニューアカデミズム」ブームの主役の一人。難解な思想で知られる彼が、今また脚光を浴びている。東京都内で映画上映やシンポジウム、コンサート、ポスター展が開かれ、若者らで満員になった。

 ドゥルーズは60年代から哲学や文学の読み直しをはかり、70年代以降はガタリとの共著で「リゾーム」などの言葉を駆使して資本主義の分析をしたポスト構造主義の旗手だ。

 イベントの目玉は、ドゥルーズが自らの思想を平易に語るドキュメンタリー映画「アベセデール」の上映。AはANIMAL(動物)という具合に、アルファベット順に身近なテーマに次々と答えていく。

 弟子でミュージシャンのリシャール・ピナスさんは六本木のクラブで師にささげる前衛音楽を演奏。ファッションブランドのアニエス・ベーが提供、学生ら300人以上が参加した。

 昨年、フランスから21年遅れて日本語訳が出た『シネマ2*時間イメージ』(法政大学出版局、4935円)は、哲学書としては異例の5000部に届く勢いだ。『シネマ1*運動イメージ』の日本語訳も来春に出る予定だ。

 上映やシンポジウムを企画した東京日仏学院の坂本安美さんは、「ドゥルーズには映画監督のゴダールと同じく、印象的な細部が多く、わからないが不思議な魅力がある。チェ・ゲバラのように今後も若者を引きつけるのでは」という。

 来日した教え子でパリ大学准教授のダビッド・ラプージャッドさんは、「ドゥルーズの人気は彼の著作が思考の道具になるからだ。絵画、映画、精神分析と扱うジャンルも広い。わかりやすく同時に奥の深い哲学者だ」と言う。単なるファッションで終わるかどうかは、今回参加した若者たちが彼の著作を読みこなすかにかかっている。

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