ここから本文エリア

RSS

現在位置:asahi.com>BOOK>ひと・流行・話題> 記事

ひと・流行・話題

「シャネルの野性痛感」 山田登世子さん、半生記を新訳

2007年12月19日

 ココ・シャネル(1883〜1971)が友人の作家に語った半生記の新訳が出た。『シャネル 人生を語る』(ポール・モラン著、中公文庫)だ。翻訳者の仏文学者・山田登世子さんに聞いた。

写真愛知淑徳大学教授(仏文学)の山田登世子さん

 92年に原書を読み、「シャネルの言葉にほれてしまった」。ようやく巡ってきた新訳のチャンスに「どういう文体に移すか、1年以上悩んだ」。訳文は、モランが「転がり落ちる溶岩のような声」と形容した語り口をほうふつさせる。

 翻訳して改めて痛感したことがある。一つは「シャネルの国際性」。20年代、彼女が交遊した芸術家や文化人は、ピカソやディアギレフをはじめほとんどが外国出身だった。フランス以外の言語や文化に基づく表現が頻出し、翻訳は困難を極めた。

 もう一つは、一度は引退したシャネルが70歳で復帰した、その強さ。しかも最初のコレクションは不評。新たな名声を確立するまで1人で耐えた。

 「彼女の生涯をつきうごかしたのは、孤児という出自への怒り。そして山岳地方の村で育った野性の力だったのでしょう」。来春、書き下ろしのシャネル論を朝日新書から刊行する。

ここから広告です

広告終わり

このページのトップに戻る