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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>ひと・流行・話題> 記事 ひと・流行・話題 2年続けて「品格」ブーム 2007年のベストセラー[掲載]2007年12月23日 今年一番のベストセラーは女性の美しいふるまい方を説いた『女性の品格』で250万部だった。昨年のベストセラー『国家の品格』の261万部に迫る勢いで、「品格」ブームが続いている。文芸のランキングは上位3点をケータイ小説が占めて話題となった。一般人が携帯電話で書いた物語からミリオンセラーが次々と生まれている。トーハンなどが今月発表した年間ベストセラーなどから今年を振り返った。
『女性の品格』は読者の8割が女性。新書といえば男性向け、というこれまでの傾向を一新した。「礼状をこまめに書く」「あいさつができる」「無料のものをもらわない」「恋はすぐに打ち明けない」といった内容で、昨秋の初刷では1万4000部。現在54刷まで増刷を重ねる。 新書では、03年刊行の『日本人のしきたり』が今年になって79万部を上乗せして、計89万部に達した。『日本人数のしきたり』『日本人礼儀作法のしきたり』とシリーズ2巻も計41万部。かつては身近な大人から教わったマナーや常識、しきたりも今や新書で学ぶようだ。 『ワーキングプア』『ネットカフェ難民』『偽装請負』など、格差社会の底辺に生きる人々に焦点をあてたノンフィクションが目立つ中、2位の『ホームレス中学生』は、お笑いコンビ「麒麟(きりん)」の田村裕による自伝的極貧物語。家を失った中学生の田村少年は公園の滑り台をベッドに雑草や段ボールを食べる生活を送る。「幸せのハードルの低い人生」という生き方にホロリとくるようで、発売からわずか3カ月で180万部に達した。 ●「老い方」に関心 3位の『鈍感力』は100万部。「鈍感」が成功するための最大の力、というベテラン作家によるエッセーで、小泉元首相が当時の安倍内閣に対して「鈍感力が大事だ」と引用したことからヒットした。五木寛之『林住期』、上野千鶴子『おひとりさまの老後』など、年を重ねた後に前向きに生きることを提案する本が支持を集めた。 美容にまつわる本も多かった。田中宥久子の『造顔マッサージ』は「10年前の顔になる」をキャッチコピーにDVD付きで73万部という人気。同じく『体整形マッサージ』が40万部にのぼった。美しくなりたいのは女だけではない。岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』は、食べたものを記録するだけという方法で、1年間に117キロから67キロまでダイエットした過程を紹介した。ゆるゆるのズボンをはいてみせる著者の近影を帯にして47万部に。『IKKO女の法則』『紀香バディ!』などタレントによる美容本も続いた。 ●1〜3位を独占 文芸は、ケータイ小説の『恋空』『赤い糸』『君空』が1〜3位を独占した。5位の『もしもキミが。』、7位の『純愛』もケータイ小説。 『恋空』は新垣結衣主演で映画化もされて昨年の発売以降、200万部を突破した。そのアナザーストーリー『君空』が53万部までのびている。『赤い糸』も100万部、ミリオン達成だ。 読者の中心は、女子中高生。彼氏との恋の行方には、レイプ、妊娠、流産、難病……と次々に不幸が降り注ぐ、という流れの物語が多い。主人公が同世代で、横書きに絵文字、ギャル文字が入ったメールのような文章に親近感がわくようだ。 4位の『一瞬の風になれ』は、本屋大賞と吉川英治文学新人賞をW受賞した作品で、3巻で計100万部に達した。高校の陸上部を舞台にした、さわやかな青春小説。6位の『求めない』は異彩を放つ詩集。信州・伊那谷に暮らす84歳の詩人は「求めない――すると」のフレーズを繰り返す。つらいとき、苦しいときに「求めない」とつぶやいてみよう、という教え。 文庫はランキングの対象外だが、古典が新訳でよく読まれた1年だった。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫)は亀山郁夫による新訳で、5巻で計50万部を超え、古典としては異例のベストセラーになった。
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