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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>ひと・流行・話題> 記事 ひと・流行・話題 古典・ケータイ小説が席巻 2007年の出版界[掲載]2007年12月23日 「古典」と「ケータイ小説」という両極の作品が注目を集め、インターネットや携帯サイトの影響などで現代用語事典や情報誌が休刊に。社会と読者を映し出す動きが相次ぎ、激しく動いた出版界の一年を振り返る。 雑誌で注目を集めたのが、「AneCan(アネキャン)」「marisol(マリソル)」「GRACE(グレース)」の女性誌3誌の3月7日の同日創刊だ。月刊コミック誌「ジャンプスクエア」も50万部でスタートし、10万部を増刷して話題になった。だが、雑誌全体としては減少傾向に歯止めはかかっていない。 出版科学研究所の推計によれば、今年1月から10月の出版物の販売額は1兆7482億円で前年同期比では3.1%減。3年連続のマイナス傾向だ。うち雑誌は9747億円で3%の減となり、この10年マイナス傾向が続いている。 こうしたなかで、06年度の小学館の総売り上げ(2月期)が、講談社(昨年11月期)を抜き、初めて出版業界の首位に立った。共に売上高を減らしながらのトップ交代。雑誌の売り上げ減が響いた講談社に対し、小学館はファッション誌『CanCam』が健闘し、「ドラえもん」や「ポケモン」などの映画やキャラクターの著作権料なども収入に貢献した結果、首位に押し上げられた。 ●情報誌曲がり角 いまの読者像がのぞきみえたのが、古典の復権とケータイ小説の大ヒットだ。ベストセラーとなった『カラマーゾフの兄弟』をはじめ、池澤夏樹選の「世界文学全集」や文庫の「日本文学全集」30巻など古典や名作が注目を集めた一方で、大手取次のトーハンと日販の文芸書の年間ベスト3をケータイ小説が独占。両極ともいえる二つの動きは、一時的な現象か、それとも読者の二分化を示すのか。 新たな分野として目をひいたのは検定本。昨年、「江戸文化歴史検定」が1万人を集めてブームに火を付けた。幕末や鉄道、京都や鎌倉など地域に関係するものなどが続々登場した。そして鳴り物入りで登場した『ミシュランガイド東京2008』のヒットには、一部書店も活気づいた。 インターネットの普及などによる読者の情報収集の方法の変化を如実に現したのが、現代用語事典の『イミダス』と『知恵蔵』の紙媒体の休刊と、情報誌『ダカーポ』の休刊だ。『イミダス』と『知恵蔵』は、携帯電話などの電子媒体に移行する。そうしたなか、来年1月11日には『広辞苑第六版』が刊行される。刷り部数は30万部。紙と電子の役割分担がどう進むのか、注目が集まっている。 ●「表現」問われる 表現や出版の自由が、改めて問われる出来事も相次いだ。奈良県で起きた放火殺人事件を扱った『僕はパパを殺すことに決めた』をめぐり、本の著者に調書を見せるなどしたとして、少年の精神鑑定医が秘密漏示の罪で起訴された。 09年の「裁判員制度」導入と報道の関係にも関心が高まった。最高裁は裁判員に「容疑者は犯人」という予断を与える報道への懸念を表明している。こうした新たな制約が予想されるなかで、事件の背景などの独自取材が生命線の雑誌は、どう対応するのか。今後、大きな問題になってくるのは必至だ。 ここから広告です 広告終わり この記事の関連情報
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