2008年10月4日
明治の草創期から、大衆文化を担うメディアとして確立する昭和初期までの雑誌の歴史をたどる展覧会「ミリオンセラー誕生へ! 明治・大正の雑誌メディア」が、印刷博物館(東京都文京区)で開かれている。
雑誌本体のほか、新聞広告や付録など176点を展示。まず目に入るのが、本格的な雑誌の先駆けとされる「西洋雑誌」だ。1867(慶応3)年、洋学者の柳河春三が創刊した。
第1号の巻末に「西洋諸国月々出板するマガセインの如く、廣(ひろ)く天下の奇説を集めて耳目を新たにせんが為(ため)……」とあり、オランダ語のマガセイン(英語でマガジン)と雑誌を同じ意味で使っている。和紙に木版刷りで、主に欧米の学術記事の翻訳を掲載した。
初期は政治思想や西洋の知識の紹介が主だった雑誌は、教育が普及する明治後期になると、文芸、女性、児童向けなど多様化する。
そして日本初のミリオンセラーとなる「キング」が1925(大正14)年に創刊。小説、講談、実用知識、人物伝など多彩で万人受けする編集方針は、毎号約300ページものボリュームや、豪華な付録とも相まって人気を博し、27年には140万部を突破した。
表紙デザインにも工夫を凝らしたさまざまな雑誌からは、時代を切りひらかんとする気概も伝わってくる。雑誌が苦境にあえぐ今、多様で力強い“雑”の魅力を改めて伝えてくれる。(小川雪)
12月7日まで。月曜休館。一般500円。電話03・5840・2300
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