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作家に学んだ民主主義 黒古一夫・筑波大教授が最終講義

2011年3月6日

写真:文芸評論家で筑波大教授の黒古一夫さん拡大文芸評論家で筑波大教授の黒古一夫さん

表紙画像著者:黒古 一夫  出版社:アーツアンドクラフツ 価格:¥ 2,310

 原爆文学の研究で知られる黒古一夫筑波大教授が、今月末の定年退職を前に最終講義を行った。「僕が出会った作家たち」と題して、彼らから受けとった戦後民主主義の精神と、人間としての優しさについて学生に語りかけた。

 「大江健三郎さんから学んだのは、日本国憲法の精神と、書きこみをしながら系統的に本を読むこと。井上ひさしさんは、資料を徹底的に集め、事実に基づいて発言し、同時に想像力も発揮することの大切さを教えてくれた。『人間みなチョボチョボや』という平等の思想は、小田実さんから」

 「病弱な三浦綾子さんは命の大切さを、被爆した林京子さんは人間として美しい生き方を示してくれた」。最も深く心に残るのは昨年急逝した立松和平さん。「優しすぎるほど優しい男でした」

 最近、『「1Q84」批判と現代作家論』(アーツアンドクラフツ)を著した。「批評は遠慮会釈なく、しかし文学青年のような目線も忘れずに」という恩師小田切秀雄の教えを胸に、今後は批評活動に専念し、念願だった晴耕雨読の生活をめざす。(白石明彦)

表紙画像

『1Q84』批判と現代作家論

著者:黒古 一夫

出版社:アーツアンドクラフツ   価格:¥ 2,310

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