「猫の手も借りたい」なんて言葉があるほどに、猫は役に立たないものの代表格だ。が、本書の主人公・猫村さんはちょっと違う。求人広告を見て家政婦紹介所にやってきた猫村さん、洗い物や掃除をソツなくこなし、使えるところをアピールする。料理だってお手のもので、得意料理はネコムライス。猫舌だから淹(い)れるお茶はぬるいけど、ツボを踏み踏みするマッサージもうまい。そんな猫村さんが、とあるお屋敷に派遣されたが、その一家には秘密があり……という猫版「家政婦は見た!」である。
なぜ猫が家政婦に? とか細かいことは気にしちゃいけない。外見は猫なのに中身は世話好きなオバチャンという猫村さんのキャラが最高。ときどき「ちょっと失礼」と寝そべって毛づくろいしたり爪(つめ)を研いだり、驚くと背中を丸めて毛を逆立てるなど、猫らしい一面を見せるのもナイス。
鉛筆描きの素朴すぎるタッチは「こんなのあり?」って感じだが、意外とポイントを押さえた線で、美術的センスも感じさせる。授業中に回ってくるノートの切れ端のイタズラ描きみたいな感覚で楽しめる“なごみ系”の一冊だ。
なんでも本作はケーブルインターネットの会員向けサイトに毎日1コマ更新で連載されているとのこと。アクセスしてみたが、会員限定サービスのようで見られなかった。これを単行本化した編集者に感謝!