この紙面を見ているような人は、きっと本好きだと思う。当然、本屋さんも好きだろう。だったら絶対、この作品を読むべきだ。
書店員兼マンガ家の作者が、本屋さんの舞台裏を描いたエッセイコミック。というと何だかフツーに聞こえるが、仮にもプロの作家が書店で働いてるというのもビミョーな話で、2冊しか入荷しなかった自分の初単行本をムリヤリ追加注文したはいいけど、なかなか売れなくて居たたまれなくなり……といった自虐ネタが痛痒(いたがゆ)い笑いを誘う。
もちろん本筋である書店の裏話も充実で、シュリンク(マンガなどにかかっているビニールパック)やカバーかけといった実務部分から、座り読み、万引きなど困った客のエピソード、取次(とりつぎ)と書店の力関係といった出版界の構造まで、通り一遍の知識ではなく、現場にいてこそ実感できるディテールがしっかり描かれている。なかでも驚き呆(あき)れたのは、ドリルの解答集をなくしたからといって、店の本で答え合わせする母子の話。「あんたら親子……二人合わせて0点ですから!!!」と呪いをかける作者の書店員魂には共感大だ。
細かいギャグや時折挿入されるボーイズラブネタも秀逸。本好きなら見逃さないはずのオマケもあり、本と本屋さんへの愛情満載の一冊である。なお、本書を書店で探す際は、くれぐれも「新聞に載ってたアレ」とか言わないように!