街角の「おこと教室」の看板を「おとこ教室」と見間違えた、な〜んて古典的笑い話があるけれど、本書の表題は後者が正解。といっても、別に艶(つや)っぽい話ではなく、女子から見た男子の理解しがたい言動や趣味嗜好(しこう)をネタにしたエッセイ風コミックである。
服装のコーディネートをホメたら「偶然だ!!」と怒ったり、彼女の誕生日ディナーを絶好のムードで進めていたのに“詰め”のプレゼントで微妙に外したり、カラオケで吉川晃司をリミッター振り切るテンションで熱唱したり……。そんな男たちの姿を、時に厳しく時に温かく見守る“みなっち”こと藤野美奈子の観察眼は故ナンシー関級——と言ったらホメすぎか。
エッセイ風ではあるが、実録ではない。自分(の分身)を主人公にしながら、フィクションとして一つの世界を構築し、それでいてディテールの部分はやけにリアルという虚実ないまぜの筆致が、スパイスの効いた含み笑いを誘う。
誰もが「あるある!」と共感できる日常の些細(ささい)なマヌケ事象を増幅させていく芸風は本作でも健在。〈「乙女のセコム」解除〉〈どんなアメリカ人よりフリーダム!!〉といった素っ頓狂な言語感覚にも天性のパンチ力を感じさせる。あとがきのエピソードだけでも一本マンガが描けそうなのに、惜しげもなく使ってしまう“小ネタの安売王”ぶりにはドンキもびっくりだ。