時事ネタ満載のこのギャグまんがが、武器にしようとするのは“絶望”である。世の中に向かって絶望という名のツッコミ芸を繰り広げ、ブラックなギャグで祭り上げ、そのまま絶望の中を走りきってしまおうという作品だ。
主人公は、何事も絶望的にしか考えられない、超ネガティブ志向の教師だ。毎回さまざまな出来事への激しい深読みや勘繰りが描かれ、暴走する被害妄想や先回りしすぎの心配性が、ギャグとなって展開する。
考えてみれば、世の中絶望だらけだ。毎日どうにもやりきれないニュースばかりで、絶望的な気分になる。しかし、そう毎日絶望ばかりもしていられない。とりあえずは、新聞やテレビを見ている間だけの絶望的気分や憤慨で済ませ、あとは日常生活に戻るのだ。
そんな私たちに代わって、絶望先生は、いちいちきちんと絶望してみせてくれる。絶望なんてもううんざりで目も耳もふさいで忘れてしまいたい私たちに代わって、絶望先生はひたすら世の中に絶望しつづける。
そんなふうに時流の中に身を投じ、巻き込まれながら、紙一重で身をかわしてギャグにしつづけるのは、想像以上に体力が要求されるはずだ。世の中と絶望のチキンレースを繰り広げて、どこまで張り合えるのか。著者が自家中毒を起こすことなく、壊されることなく、最後まで走りきれるのか。ハラハラさせる奮戦は、今も毎週進行中だ。