作者名がそのままタイトルにもなっているという、ちょっと不思議な印象の本だ。内容は、作者自身が登場して語るエッセイ風の四コマギャグまんがであり、身近なできごとや、昔のちょっとした思い出など、日常的なネタばかりが描かれる。「それってあるある」調の、笑いながら軽く読める内容なのだが、しばらく読み進むと作者の妙な気迫がじわじわ伝わってきて、どこか笑うだけではすまされなくなる。あげくには、読み手に思い当たるフシのあるネタが不意打ちとなって襲い、思わず身につまされてしまう作品だ。
描かれるのは、たとえば、無意味だが今さらやめられない慣習や癖。自分の部屋でするひとり遊びや、そこにかけられた無駄な情熱。他人から見たらどうでもいいような、瑣末(さまつ)な決意や信念の切実さ。自分でも説明不能な行動に込められた、わけもわからぬ執着心——など。
なぜか捨てられずに心の片隅にしまってあったガラクタを、日のあたる場所に引っぱりだしてみせるかのようなネタの連続が、作者のあいまいな笑顔とともに淡々と描かれ、いつしか読む者の心にも響いてくる。
作者の存在自体が、そのまま作品なのだというタイトルの主張どおり、どのネタも作者の身を挺(てい)して描かれていることが、静かな迫力を生んでいる。
笑いの中に、しみじみとした読み味のある一冊だ。