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コミックガイド

斉藤さん [著]小田ゆうあ

[掲載]2006年12月24日
[評者]南信長

 たとえばレストランやスーパーで、キャーキャー走り回ってる子供を叱(しか)れますか? 本書の主人公・斉藤さんは、ビシッと叱る。さらに、公共の場でのルールを教えない親にもズバリ物申す。と書くと“子供がいない人だから、そんなこと言えるんじゃない?”と思われそうだが、斉藤さん自身も幼稚園児の母なのだ。

 斉藤さんは、相手が誰だろうと悪いことは悪いと言い、筋の通らないことには異を唱える。時には歩きタバコを注意したチンピラに蹴(け)り倒され、ケガすることも。それゆえ幼稚園のママ仲間からはトラブルメーカーとみなされ、煙たがられている。

 そんな斉藤さんの姿を、子供を同じ幼稚園に通わせる一人の主婦の視線で描く。表面上の和やかな関係の裏で、陰口、派閥争い、同調圧力が渦巻くママ仲間と、事なかれ主義の幼稚園の中にあって、己の信じる公正を貫く斉藤さんを、彼女はカッコいいと思う。そして少しずつ感化されていく。

 口だけでなく、行動力を兼ね備えているところが斉藤さんの美点。そのフェアな精神と勇気を見習いたいと思う人も多いはずだ。

 マンガ表現としてはオーソドックスだが、その分、読みやすく読後感は爽快(そうかい)。実は先日、近所の和食屋で、アンパンマンのぬいぐるみを抱えて走り回る2〜3歳の子供と、それを放置して声高に談笑する一団に遭遇したが、結局注意できなかった。斉藤さんはやっぱりすごい!

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