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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>コミックガイド> 記事 コミックガイド 僕の小規模な生活 [作]福満しげゆき[掲載]2008年01月13日 “漫画家マンガにハズレなし”とは私の持論であるが、本作もそれを証明する快(怪?)作だ。駆け出し漫画家がバイトしながら持ち込みを繰り返し、やがて大手の雑誌から声がかかって、気がつけば週刊連載に……と、展開だけはシンデレラストーリーのよう。しかし、その実態は嫉妬(しっと)と虚栄、不安と猜疑(さいぎ)に彩られた小市民的ドラマである。 主人公=作者は、原稿を郵便で送るにも紛失が心配でたまらず、単行本の話も〈ウソだろう……〉と、まず疑ってかかる。メジャー誌の編集者にフグを食べさせてもらって〈大手は最高だ!!〉と舞い上がったものの、ダメ出しの多さに疲れ、掲載も決まらず不安は募るばかり。果ては連載をめぐって二つの出版社の板ばさみになり半泣き状態に。そんなイジイジした日々を事細かに綴(つづ)った実録モノだ。なかでも編集者とのやりとりは、読んでるほうが心配になるぶっちゃけぶり。謙虚なのか傲慢(ごうまん)なのか、前向きだか後ろ向きだかわからない作者のトボケたキャラは、思わず「しっかり!」と叱咤(しった)激励したくなる。 そして、一つ間違えば殺伐とした雰囲気になりかねないところを救っているのが豪快で福々しい妻。そう、これは“平成版まんが道”であると同時に、奇妙な夫婦愛の物語でもある。本作に至るまでの道のりを描いた『僕の小規模な失敗』も併せて読めば、この夫婦に幸あれと祈らずにいられなくなるはずだ。 ◇ 「モーニング」に掲載。
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