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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>コミックガイド> 記事 コミックガイド 800 [原作]川島誠 [漫画]たまきちひろ[掲載]2008年02月10日 佐藤多佳子『一瞬の風になれ』、三浦しをん『風が強く吹いている』など、陸上競技を題材とした青春小説が人気を集めている。その元祖的存在が、川島誠『800』だ。タイトル通り、800メートル走に魅せられた2人の高校生を主人公に、「俺(おれ)」と「ぼく」の一人称を交互に切り替え、それぞれの視点で語られる物語は、まさにトラックの風を感じさせる疾走感に満ちていた。 そんな名作をマンガ化したのが本書。キャラクターが視覚化されることにより、やんちゃな「俺」とクールな「ぼく」の対比が一層際立つ。たまきちひろの勢いある筆致は、若者たちの肉体からほとばしるエネルギーを生々しく描き出す。そして、これはたまきの他の作品でもそうだが、彼らの意志的な瞳に胸を突かれるのだ。 原作と比べ、ボリューム的に物足りないのは否めない。が、限られた紙幅の中で、独自の解釈も加えつつハイテンションで駆け抜けるひと夏の青春は鮮烈な印象を残す。 本書は、ポプラ社ピアニッシモコミックス第1弾。このシリーズは「コミック×文芸」が売りだが、ほかにも小学館「IKKI COMPLEX」シリーズなど、同様の試みが目につく。今や普通にマンガを読んで育った人たちが小説を書く時代。『一瞬の風になれ』も、著者が読んだ小林まこと『柔道部物語』が原点とか。もはやマンガと文学は対立項ではなく、地続きの表現世界なのである。 ◇ 映画化もされた川島誠の小説をもとにした新作。
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