[掲載]2008年7月20日
古今東西のマンガには、さまざまな教師が登場する。学園の平和を守るには、欠かせない存在であることが多い彼らだが、実際に授業を受けたいかと言われれば話は別。しかし、国木田大学の講師として赴任してきた結城玄米先生の“食文化史”なら、ぜひ受けてみたい。
この先生、キャンパスを耕して畑にするわ、学食の厨房(ちゅうぼう)に入り込んで何やら作り出すわで、大学側からは相当睨(にら)まれている。確かに、マイペースでわが道を行く玄米は、学校という枠からは、はみ出してしまうのかもしれない。しかし、独立独歩の言動はすべて、“食べることは生きること”という強い信念に裏付けられたもの。だからこそ、最初は不審がっていた学生たちも、“一物全体食”や“個食”と“孤食”の違いといった、現代の食が直面している問題について考える機会を与えられるうちに、人生を豊かにする食事の大切さを再認識。その思いを他者と共有するための、自発的行動さえとりはじめるのだ。
また、紙面の随所には、ぬか床の作り方やタマネギの皮を利用したダシなど、料理の知恵や工夫が登場するのだが、つい試してみたくなるほど、魅力的に描かれている。まるで、我々までもが、玄米に「食育」されているようだ。いつの時代も好奇心が文化を広め、次世代に伝えてきた。本書で刺激された食への好奇心もまた、次世代に受け継ぐ価値のあるものだと思う。
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「ビッグコミックオリジナル」掲載作品を収録。
著者:魚戸 おさむ・北原 雅紀
出版社:小学館 価格:¥ 540
著者:魚戸 おさむ・北原 雅紀
出版社:小学館 価格:¥ 540
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