[掲載]2008年10月19日
現在、「週刊ヤングマガジン」の連載も絶好調のルノアール兄弟が、各誌に発表してきた作品をまとめた単行本が出た。一見、古典的な絵柄のキャラクターがテンポよく繰り出す荒唐無稽(こうとうむけい)な言動の数々。それらが、名バーテンダーがシェークしたカクテルよろしくスッと入ってくるので、ついグイグイやってしまう。ただし、笑いすぎにご注意を。
前述のヤンマガ連載にも登場する八戸流星の一連のシリーズは、孤高のジャーナリスト・八戸が掴(つか)んでいる壮大なネタを原作に、ルノアール兄弟が実録マンガを仕立てる体裁。断られても、けなされても、果敢に新たなネタを提供しようとする八戸の姿は、おかしさと哀(かな)しさが背中あわせなんだということを改めて教えてくれる。出色だったのが、『武蔵野最高クリエイター学院』。ここに描かれているのは、デザイン系専門学校の学長・平等院アタルに振り回される生徒の受難の日々だ。創作の本質を裏返したり薄目で見たりしながら、曲解に曲解を重ねたミルフィーユ状のギャグには、しばし呼吸困難になったほど。
また、本作の登場人物はみな、(世間的にみれば)社会的立場は弱くとも、ワンアンドオンリーな世界観を持ち、かつ、どこか気高い。って、これじゃまるで、ヒーローの条件!? だからなのかなぁ。童貞をモチーフにすることの多いルノアール兄弟が、「童貞界にキューバ革命を起こした」なんて言われるのは。
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初出は「漫画ナックルズ撃」ほか。
著者:ルノアール兄弟
出版社:太田出版 価格:¥ 893
出版社:大洋図書 価格:¥ 500
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