「ルーズソックスの女子高校生が古本市にやってくる。史上初めてのことです」と話すのは、中野照司・東京都古書籍商業協同組合広報担当理事だ。「古本世界に若い世代が参入しつつある。とくに、女性が」
東京・神田神保町の古書店街も様変わりしてきた。裏通りにはマニアを意識したアイドルや音楽関係専門の店が、相次いで出店している。
この世界を目指す初心者には角田光代・岡崎武志『古本道場』がお薦めだ。初級から中級向けは『モダン古書案内 改訂版』。「戦後の80年代までって、とっても新鮮。雑誌なら『暮しの手帖』、人で横尾忠則、宇野亜喜良、田名網敬一。足を使って自分で探すのも楽しい」と、同書を編集した草刈朋子さん。それ以前の時代には、想像力が及ばないとか。各世代にマッチした古さがあるのだ。山崎まどか『ブック・イン・ピンク』(晶文社・1680円)も、ほとんどが60年代以降の「おしゃれ古本ガイド」だ。
「使い捨て消費」より「持続可能な社会」がいわれる昨今。古本は「持続可能性」そのものでトレンディーなのだ。さらに「若者は古本で癒やされてます。表情を見ていると分かる」と中野さん。古本が内包する「時」が心を癒やすのだ、と。
先行世代では、坪内祐三『古本的』が守備範囲の広さで迫ってくる。さらなる先行世代も「まだまだ持続可能だ」と負けていない。嵐山光三郎『古本買い 十八番勝負』。「古本屋探偵」紀田順一郎も、『書林探訪』(松籟社・1680円)でますます元気である。いずれも上級向けだ。
『本の街 神保町古書店案内』(諸隈宏明編、ピエ・ブックス・1890円)などがあれば、気軽に出かけられそうだ。関西圏は、『関西赤貧古本道』(山本善行著、新潮新書・735円)がカバーしている。