今月は宇宙開発・探査関係の話題が目白押し。4日には米航空宇宙局(NASA)が、彗星(すいせい)の成り立ちなどを調べるために打ち上げた探査機「ディープインパクト」の子機を、目標のテンペル第1彗星の核に衝突させることに成功した。10日には、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、X線で天文観測をする衛星を載せた国産ロケットM5の6号機を打ち上げ。「すざく」と命名された衛星は、21日には高度約570キロの円軌道に入り、8月半ばから観測を開始する予定だ。
一方、中旬に予定されていたスペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げは、機器に異常が見つかり延期されている。搭乗する日本人飛行士・野口聡一さんらの待機が続く。
困難を乗り越え、人類は宇宙へ向かう。宇宙開発の熱気に満ちた60〜70年代を振り返るスコットとレオーノフ著『アポロとソユーズ』は、米ロの飛行士が、当時の宇宙計画の内情を豊富なエピソードとともに描き出す。
その後の四半世紀にわたり米国の宇宙開発の要だったシャトルは、10年に引退予定。松浦晋也著『スペースシャトルの落日』は、機体の繰り返し利用という理想から生じた設計上の無理を抱えたシャトルは「失敗作」であり、宇宙開発をかえって遅らせたと論ずる。手厳しい指摘の間に、著者の宇宙への熱い思いがのぞく好著。
現場の人の息吹を読むなら的川泰宣著『轟(とどろ)きは夢をのせて』がお勧め。JAXA執行役・教授の著者が、日本惑星協会のメルマガに連載中の日記をまとめた。科学解説や、時にユーモラスな逸話とともに、宇宙に魅せられた人の息遣いが伝わってくる。