80年代半ば、辛い食品が人気を集めた。この「激辛ブーム」は比較的短期間で終わったが、辛い食べ物は私たちの食生活に根を下ろした。世紀の変わり目のころにも、唐辛子の成分であるカプサイシンが「やせるのにいい」という評判を呼び、関連本の出版が相次いだ。そして最近また、辛い料理の本が書店の棚をにぎわせている。
キーワードのひとつは「ピリ辛」。西川治『ピリッカラ唐辛子料理』は、豚のあばら焼きから始まり、中国の「水煮牛肉」(名前にダマされるが辛い煮こみ料理)など、各国の辛い料理の作り方を大判の写真とともに紹介している。
ほりえさちこ他『ピリ辛ごはんcafe(カフェ)』(発行アップオン、発売主婦の友社)は、タイ風ピリ辛チャーハンなど家庭料理が勢ぞろい。夏梅美智子『ピリッ 辛っ うまっ!』(永岡書店)も、わさびを使った料理も交えたレシピをそろえる。パレック『ピリッと辛い! スパイシー野菜おかず』はインドのベジタブル料理の作り方を伝授する。
身近な辛い料理というと韓国料理。韓福麗『キムチ百科』は、白菜だけではない様々な材料を使ったキムチや、料理についてビジュアルに学べる。アワビを使った水キムチ、なんて高級な一品もあるが、著者は韓国宮廷料理がストーリーに密接にからむ人気ドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」の料理監修を担当した専門家なのだ。
中国・四川料理も辛い。麻婆豆腐(マーボーどうふ)研究会『麻婆豆腐大全』は、今や定番のおかずとなった麻婆豆腐の歴史、日本での普及の歩みなどを解説しつつ、名店を巡る。辛そうな色合いの写真が食欲をそそる。
カプサイシンはホルモンの分泌を促し、体を興奮状態にする。さて最近のリバイバルは、株価上向くこの国が、再び元気を求めるモードになりつつある証しか?