興味本位というか、神仏に気軽にアクセスを試みる——それが昨今の天と地の関係だ。
ファンタジーの登場人物みたいな劇画風のイラスト付きでカッコよく紹介される神々。面目躍如たる恋や冒険のエピソードも盛り込まれている。『「世界の神々」がよくわかる本』は、こうした趣向で神々をリスト化して、8カ月で22万部。テレビゲームやファンタジーで神々と親しくなった若者たちが、売れ行きを支えているという。
神社といえば大事なのは御利益だが、『神社の系譜』は御利益そっちのけ、ホラーの気配ただよう縁起ものだ。東京の「神田」という地名が、実は首を打たれた平将門(たいらのまさかど)の「からだ」を祀(まつ)ったことから来ているなど、江戸っ子のどれほどが知っていたろう。
ジョージ秋山版『聖書』。漫画家である作者は、豊満な女たちも登場させ、現代の世相と重ね合わせつつ、聖書世界を自由に描く。読者は現代政治を理解する基礎的な教養も身につけることになる。今しも戦車とロケット弾を武器に、イスラエルとヒズボラが対決する地に刻まれた歴史なのだ。
さて、仏教ならば般若心経。書店の「般若心経コーナー」には、柳澤桂子、松原泰道といった人々の著作が並ぶ。ここでも塗り絵から入るという手軽な趣向が(『写仏 塗り絵般若心経』=桑田二郎著)。しかし「色即是空」を解説されても、なかなかむつかしい。『お坊さんだって悩んでる』は、素朴な疑問を抱えて裏口から入るていの、やさしい仏教入門になっている。
気軽に神仏にアクセス。だが存外「力がすべて」という資本主義経済、世界政治にうんざりし、「やっぱりただの力以上の力が大事だよね」という、まじめな思いの表れかも知れない。