自民党総裁選が始まった。今月は民主党代表選もある。それぞれで本命視される安倍晋三、小沢一郎両氏の関連本が続々と出版されている。
まずは、安倍晋三『美しい国へ』。自主憲法制定への思い、拉致問題への取り組みなど、つねに「闘う政治家」でありたい、という著者の主張が全開だ。対談をまとめた『安倍晋三 対論集 日本を語る』(PHP研究所)も出ている。
一方、引き続き民主党代表を務めることが濃厚な小沢氏の最新の本としては『小沢主義』と『剛腕維新』(角川学芸出版発行、角川書店発売)がある。靖国問題、教育問題などを論じ、当然のことながら、自民党と小泉政権には手厳しい批判を加える。
このほか、山本一太『なぜいま安倍晋三なのか』(リヨン社発行、二見書房発売)、平野貞夫『虚像に囚(とら)われた政治家 小沢一郎の真実』(講談社)など、それぞれの応援本も出ている。また、自民党の総裁選の歴史と舞台裏を知りたい人には奥島貞雄『自民党総裁選』がある。
ただ、権力争いの渦中にいる当事者が出す本は一方的な内容になる場合もある。読者としては読み比べるなどして冷静に受け止めることも必要だろう。
新党首、新首相が決まれば焦点は来年の参院選に移る。野上忠興『ドキュメント安倍晋三』は、小沢氏との共通点や意外な接点などを紹介しつつ、参院選を乗り切る難しさ、拉致問題の対応など首相に就任した場合の安倍氏の課題に切り込んでいる。
2大政党のもとでは、憲法問題ひとつでも国民の選択肢は限られる。埋没しがちな他の政党の党首らによる本も活発に出てくると、これからの政治を考える幅が広がるのだが。ちなみに、自民党総裁の座を競い合っている谷垣禎一、麻生太郎両氏の著書は、書店では見あたらなかった。