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ピークオイル 人類を縛る体制を見直せるか

[掲載]2006年12月10日
[評者]前田浩次

 原油価格が高騰した一年だった。70年代の石油ショックの時の危機感は、なぜか世の中に広がらなかったが、30年前に比べ深刻な問題が顕在化しているという警鐘の書が相次いでいる。

 採り続けていけばいつかは枯渇する石油。しかし危機は現下のものであり、それは世界の原油産出が頂点に達し、以降は産出量が減少していくことだというのが「ピーク・オイル論」だ。価格は高止まりし、残された資源を巡る争奪戦が常態化する。

 これには、埋蔵量はこれまでも更新されてきたと、同論を「オオカミ少年」視する政府・業界・学界・メディアもある。しかし『ピーク・オイル・パニック』のレゲットによる検証は、自らがかつて石油資本の内側にいただけに、説得力がある。

 太陽光など代替エネルギーの推進者に転じたレゲットは、石油に投下されている資本や政府補助を振り向けることで、今ある技術で様々なエネルギーの開発が進められ、ピーク・オイルによる経済パニックは回避でき、地球温暖化対策にもなるという。石井吉徳著『石油最終争奪戦』は、石油ほど「エネルギーが濃縮された」資源はほかになく、「脱石油は脱浪費で乗り切る」と、まず意識の転換を説く。

 宮田律著『イスラム石油戦争』を読むと、産油国の政情の複雑さには嘆息せざるを得ない。スティーブン・ペレティエ著『陰謀国家アメリカの石油戦争』(ビジネス社)、ジョージ・ソロス著『世界秩序の崩壊』(ランダムハウス講談社)など、その情勢のグローバル化を描く書も続々と出ている。

 芥田知至著『知られていない原油価格高騰の謎』には、これまでにない巨額のマネーが石油と共に世界市場を動いている姿がある。ピーク・オイルは、そんな危険なシステムからの脱却こそを急ぐ契機と、とらえるべきではないだろうか。

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