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未来を思う―現代の不安や社会矛盾を映し出す

[掲載]2008年02月24日
[評者]加藤修

 2012年12月21日、世界の終わりが来る――。空騒ぎに終わったノストラダムスの予言、コンピューター2000年(Y2K)問題に続き、今度は古代マヤ族の予言だとか……。映画化も決まった『2012 ザ・ウォー・フォー・ソウルズ』は、予言の日を前に、パラレルワールドであるもう一つの宇宙から地球に攻撃が加えられるというSF活劇で、終末感を刺激する。予言を米国の科学ジャーナリストが“検証”した『2012 地球大異変』(NHK出版)では、12年に太陽の活動量が増えるという説などを紹介しつつ「人災や自然災害、そしておそらくは超自然の災害」が「最高潮に達する」と主張する。

 またかという予言が流行するのは、私たちに未来への不安があるから。10億ギガバイトに相当する記録容量の単位をタイトルとした小説『エクサバイト』は、コンピューターなどの急速な変化を背景に「トンデモ」と笑えない不安を感じさせる。25年が主な舞台で、身につけた小型映像記録メディアで自らの全生涯を記録に残すという試みがどのような可能性と危機をはらむかを示す。実際に研究・実験が進んでいる分野だけに“究極の自分史”が情報機関に利用される可能性など現実的な問題提起になっている。

 『新世界より』はぐっと進み1000年後の日本を描く。精神力で物を動かしたり、形を変えたりするサイコキネシスの力(呪力)を身につけた者たちの社会だけが生き残っているという設定で、町を脅かすものとの対決などを通して、格差や差別など現代の世界が抱えている矛盾が浮かびあがってくる。

 暗い未来予想に疲れたら『TOKYO 0円ハウス 0円生活』がいい。拾った物だけで家を造り暮らす“ホームレス”の鈴木さんは、東京の片隅で未来を先取りしている。自在に変わる家のあり方は示唆に富み、なによりその明るさに脱帽。

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